DEBORAH E. LIPSTADT
DEBORAH E. LIPSTADT

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デボラ・E・リップシュタット

アトランタのエモリー大学教授。現代ユダヤとホロコーストについて教鞭を執る。アイヒマン裁判の50周年を記念して2011 年にSchocken / Nextbook Seriesから発表した著作「The Eichmann Trial」は注目を浴び、「歴史的な裁判とその余波を鋭く豊富な知識で分析した」(パブリッシャーズ・ウィークリー誌)、「あの事件を心をつかむ法廷劇として復活させた。イスラエルの歴史においても、ホロコーストの重大さを遅ればせながら世界に気づかせたという点においても大きな役目を果たしている」(ニューヨーク・タイムズ紙)、「綿密な調査の賜物。法廷での進行や裁判で交わされた議論について明確に記述されている」(ウォール・ストリート・ジャーナル紙)と絶賛された。

本作『否定と肯定』の原作である「History on Trial: My Day in Court with a Holocaust Denier」(Ecco / HarperCollins, 2006)(2016年に「Denial: Holocaust History on Trial」に改題、翻訳書はハーパーコリンズ・ジャパンより2017年11月17日発売)は、リップシュタットに対する名誉毀損の裁判を記録した物語である。リップシュタットは前著作「ホロコーストの真実 大量虐殺否定者たちの嘘ともくろみ」(原題:「Denying The Holocaust: The Growing Assault on Truth and Memory」)(恒友出版、1995年)において、ホロコーストを否定しようとする人々について初めて詳細に調査し、歴史学者であるデイヴィッド・アーヴィングをホロコースト否定論者であり極右派だと批判した。アーヴィングはそれにより名誉を傷つけられたとしてリップシュタットを訴えた。このデイヴィッド・アーヴィング対ペンギン出版・リップシュタットの裁判は耳目を集め、デイリー・テレグラフ紙(ロンドン)は「ニュルンベルク裁判やアイヒマン裁判が昔の世代に行っていたことを、新しい世代に向けて行った」と評し、タイムズ紙(ロンドン)は「歴史の真実が勝利を収めた」と報じた。判事はデイヴィッド・アーヴィングをホロコースト否定論者であり、偽りの歴史を作り上げた人種差別主義者で反ユダヤ主義者であると断じた。

2001年7月、控訴院は判決を不服とするアーヴィングの訴えを棄却した。

リップシュタットは、エモリー大学でHDOT[Holocaust Denialon Trial / www.hdot.org]というウェブサイトを立ち上げ、アーヴィング対ペンギン出版・リップシュタット裁判の記録を掲載している。さらに否定論者から頻繁に寄せられる主張への回答も掲載している。サイトの一部はアラビア語、ペルシア語、ロシア語、トルコ語に翻訳されており、イラン国内からも頻繁に閲覧されている。リップシュタットは、卒業生たちによって選出される最も影響を受けた教員として、エモリー大学の栄誉あるエモリー・ウィリアムズ教員賞を贈られた。

彼女はまた、「Beyond Belief: The American Press and the Coming of the Holocaust」(Free Press / MacMillan, 1986, 1993)を上梓している。1933年から1945年にかけてアメリカの報道機関がユダヤ人の迫害についてどのように報じたかを調査した本書は、アメリカ国民がこの問題をいつ、どのように知ったかを知る手がかりとなる。

リップシュタットは、アメリカ合衆国ホロコースト記念博物館の歴史コンサルタントとして、「ホロコーストとアメリカ」セクションの設計に携わった。また、クリントン元大統領とオバマ元大統領から、合衆国ホロコースト記念協議会に指名された。2005年にはジョージ・W・ブッシュ元大統領の要請に応じ、アウシュビッツ解放60周年記念式典にアメリカ政府の代表として出席した。2009年アメリカ合衆国ホロコースト記念博物館では、反ユダヤ主義と国主導のホロコースト否定論に関する委員会の議長を務めている。

2011年4月11日、アイヒマン裁判の開始から50周年の日にリップシュタットは国務省の公式演説で、この裁判の影響について語った。

2017年に「The Anti-Semitic Delusion: Letters to a Student」を出版予定である。

『否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる闘い』(原題:DENIAL Holocaust History on Trial)

「ホロコースト否定論者」を非難した教授が名誉毀損で訴えられた。はたして「ホロコーストが実在した」ことは証明できるのか。声高な主張が正義となる恐怖が、現代に警鐘を鳴らす! 実在の歴史的法裁判の回顧録。映画『否定と肯定』原作。

デボラ・E・リップシュタット=著/山本やよい=訳/ハーパーコリンズ・ジャパン文庫判/価格未定/2017年11月17日発売予定